THE POWER OF DREAMS

まぁ、いろいろ おいおい

鳳来 白道

みしかと私  2人で決めたこと

シーズン終わっても、登りたいと思うなら好きなだけ登りに行こう!!

これが2人で決めた約束

 

だからシーズン過ぎてもあの岩に向かった

本当は大会がもうすぐある、だからジムで登りこまないといけない

そんな事はわかってる

正直、焦りもある

でも今は、どうしても白道をやりたいというみしかの気持ちは全く変わらなかった

 

とにかく登ると決めたからには自分達ができる事は全てやることに決めた

暖かくて滑ったり持ち感がよくないなら、気温が上がらない早朝にやればいいんだと、みしかが言った

たまっこ、みしか4時に起きてやりたい!!

 

いつも仕事明け、寝ずの深夜運転

しかも下道8時間はキツイけど、私もみしかも4時に行けばきっと登れると妄想してたから気持ちは的には楽しい

4時に起きるのも大変やけど、白道のことを思うと不思議と起きれる

 

実は去年は1回だけ上の核心を超ることができて

あと少しのところで落ちてしまっている

その後コンペもあるしシーズンもすぎたからと遠のいてしまった

その事が自分達の中で仕方ないよねと理由をつけて諦めたという思いがあって尚更、今年は白道としっかり向き合いたかったんやとおもう

あれからずっと冬になるのを待っていた

 

岩に着くと、

こんにちは!みしかです。登らせてください😌🙏

毎回いつも岩に挨拶するみしか

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4時やとまだ薄暗くて薄っすらと靄がかかっていて山はとても静かだ

その静けさの中、みしかは何も話さず淡々と準備を始める

いつもこんな感じではじまる

 

 

今年みしかは、去年よりもすごく背が伸びておおきくなった

だから核心の所は、以前よりも確率がいいんじゃないかと楽しみにしてた

‥が、肝心なところの核心が以前のムーブやと狭すぎて全くできん

何とか上までいけたんやし、このムーブで行こうと話ししてたのに、全部消えてしまった

 

‥またゼロに戻った

 

去年までは核心の所、右足の爪先を1センチくらいの小さな岩にトゥをかけて、その微妙にかかってる1センチで支えて登っていた

すごく確率が悪かったけどその方法しかなかった

f:id:tamakko66:20190510113442j:image(去年の核心ムーブ‥指は浅いので指の先端で左3本、右2本で体重を支えるから、よく指が腫れた。右足が話に出てくるトゥをしてる所)

 

仕方ないから色々模索してやっては見るけど、身長が中途半端で、いいところは深すぎたり、微妙に届かなかったりする

核心どころか核心にたどり着くまでも何箇所か作り直さんとあかんし、核心が悪いといっても実はスタートからずっとかなり悪い

今まで登ってきたのとは明らかにレベルが違う

これが5段の世界なんやと身に染みて感じた

5段ってすごいなぁ‥

 

シーズン終わりかけの時、今日もやろうかと準備していたら、偶然お兄さんがやってきた

そして白道をやりはじめる

会えてすごく嬉しくて、元気も出た

みしかが今1番苦労してる核心もお兄さんはとても安定していて呆気に取られてしまった

トシさんに会った時も思ったけど、強いって本当にこういう方達の為にある言葉なんやなぁとしみじみ思う

そのお兄さんが、みしかが同じところでずっと落ちているのを見て、足をこうしたらとアドバイスしてくれた

ヒールをかけて抑える‥今のみしかの身長やと次の一手とるときに身体が伸びるから中々上手くはいかないけど、それが今までで1番よかったムーブやった

お兄さんありがとう

 

お兄さんはしばらくレストしてから、みしかの前で一気に白道を登った

それを見たみしかは、早く登りたいなぁ‥しみじみと呟く

虫も出てきたし  空気も暖かい

シーズンはもう終わりを告げている

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お兄さんが登ったのを見たその日の帰り道、みしかは私に言った

もう滑ってきてるけど、それでもみしか登りにきたい

昼間ダメでも、朝早く起きてやればいいかもしれないから、やりたいなぁ‥みしか起きれるからやりたい‥

それから朝4時の朝練が始まった

登りに来る人は誰もいない

いつも、みしかは一人ぼっち

一人で白道をやり続けている

もう数え切れないほど沢山落ちている

あまりにも出来なくて煮詰まると、バチュラレッドをやったり、トレーニングと称して1日の終わりに序二段をやったりするもんやから、前はあんなに苦労したバチュラレッドも今やスラスラに登ってしまうというおかしなことになっている

(因みにバリエーションの方は白道を繋げるときに指が痛くて上部の一本指が危ういときに急にルートを変えて登っているけど、下の核心が余りにも出来なさすぎて一回しか登れていない)

私はと言うと、お魚を眺めたり日光浴をしたり、みしかが名前をつけた鳥のもっくるを観察したり時々岩を触ったりしてノンビリしてた

いつもお腹が減ったら魚を観ながら河原でお弁当を食べる事に決めている。

今日は吹いている風もサラサラと心地よく朝も早かったから食べ終わった後ウトウトしていた

そこへみしかがやってきて右足のヒールの為にシューズを探したいなぁと石の上に座って魚を見つめながら遠慮気味に言ってきた

とてもいいシューズなんだけど、下の核心の成功率を考えると、右足はもっと岩のエッジに沿ったヒールの形状のシューズの方が掛かるかもしれないから‥溜息混じりの疲れた声でポツン、ポツンと話してくる

うーん、確かにみしかの言う通りだ

 

その白羽の矢が立ったのは、みしかが小さい頃からずっと憧れていたテスタロッサ

(だってテスタロッサと言えば  そりゃあ憧れるよね  笑)

核心までのラインの足置きも、テスタロッサならしっかり留め置きできるし、あの変わった形のヒールは、側面がラバーがなくて柔らかいから岩の窪みに入り込みそうだったからだ

でも変わったヒールやし、テスタロッサと言えばシューズのフェラーリのイメージがあって恐れ多くて、今まで履いた事がない

だから実際どうなのかは分からない

これはカケやった

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(憧れのテスタロッサを見て嬉しすぎてたまらないみしか)

翌週早速使ってみたら完全マッチするわけではないけど、今までで1番いいかもとみしかが言った

これは期待が持てそう

でも中々簡単にはいかない

いつもと同じように、みしかは落ちる落ちる、また落ちる

 

夕方、いつのまにかあたりは暗くなっている

みしかに今日は帰ろう、

みしかの好きなオニスターでも行こうかと声をかけようとした時、フッと一瞬気温が下がった気がした

 

その瞬間、みしかは立ち上がって地面を蹴っていた

それから‥

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あっという間やった

私とみしかがいつも眺めて、恋い焦がれたあの上を、みしかはしっかり掴んでいた

 

降りてきたみしかは、

みしか登らせてくれてありがとう

全部登ったけど、またいつか会いに来るね

岩に話をしてた

 

帰り道、名残惜しそうにバイバイと岩に手を振って背中を向ける

これでもっくるとも暫くお別れだね‥

みしか登ったけど、一瞬空気がヒンヤリしてここだ!!と思ってやったら登れた!嬉しいけど‥

やっぱりちょっと寂しいなぁ‥

少ししょんぼりしてた

私も、まぁまぁ好きだった場所がいつのまにか大好きな場所になっていたから寂しい

そんなシュールになっていたみしかはと言うと、、、、

 

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翌日

なーんも変わってない!!!

むしろ変わらなすぎて情けない‥😭

 

 

そうそう、私はサポートはしてるつもりは全然なくて

それはきっと親としては落第で

私は私が楽しいから、ただやっているだけで

いつもみしかと私、お互いそれぞれ好きな事を勝手きままにしている

鳳来、私もみしかに負けないくらい楽しかったよ!!

最後にJ師、スポットもせずマット移動もせず、呑気に高みの見物をしていた私の代わりに、今回また慌ててスポットしてくれてダッシュでマット移動してくれてありがとう🙏💦

こんな私に山神さまからの罰なのか、今回こそ撮れていたハズの動画はストレージガイッパイデスの表示で全くなんも撮ってませんでした

ほんと最悪‥‥😱一生後悔するわ

 

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深夜寝ているみしかを叩き起こして撮ってもらった写真

私が鳳来に行く理由のひとつなのでした😍