THE POWER OF DREAMS

まぁ、いろいろ おいおい

二子山でテンペスタ

即身仏を登った帰り道、

よし来週はテンペスタだ!

唐突に言われた

でも白道に時間をかけた分、やる時間が無くなってずーっと放置している課題があるから、そっちをやる予定だよなぁ

と思ってボルダーは?と聞いたら

あぁ〜どうしてみしかの身体は2つじゃ無いんだろう😫 大きい溜息をつかれてしまった

即身仏で見たあの景色がまた見たいんだよなぁ‥

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翌週テンペスタの上部にいたみしかは

いきなりスコーンと気持ちよく落ちてくる

本人も予想してなかったらしく凄く苦い顔

細かいのが続いてさ、指先の感覚が無くなっちゃうよ!

みしかパンプ少ししかしてないのに!!

パンプしてないだけに悔しいと唸る

 

じゃあすぐトライするのかと思ったら

1日でトライしたのは2回だけ

指が痛くなるし指が切れるから本人的には2回以上はダメなんだそうだ

結局2回目はさっきよりは進んだけど、やはり落ちてきた

f:id:tamakko66:20200524115240j:imageすごく綺麗

 

翌週も結局また二子山

今日は風が強かった

私がビレイする場所は風が吹き荒れて砂埃が舞っていたから、正直ビレイは嫌だなぁと思っていたけど、

みしかが指先が感覚なくなるなら、

小さい粒の持てるところを握り直さないように、確実に狙って持つ

レストが出来ないなら次の一手を取るとき、手を離した瞬間に手を一瞬パーに開いて次の手をとる

これなら行けると思うんだーとソワソワしながら言ってきたので、

まぁ仕方ない 付き合う

 

早速1回目のチャレンジ

私は砂埃が酷く顔に当たって痛い

目にも入って痛いし、困った事にちゃんと開けられない、ビレイしててすごく変な汗が出た

みしかはと言うと

あああ〜っと言う声で

この前と同じ箇所らへんで風に煽られて落ちてきた

砂埃でかなり苦戦してた私は、やっぱり今日は二子山来なければよかったのに‥と言いたくなる

でも当の本人は下から風が押してきてフワッとなりそうになったからグッと張り付いたけど、いきなり横から押されて負けちゃった〜残念だねぇ

と言った後、でも大発見した!と大喜びしていて

次は行けるなぁ

岩壁の上部をじーっと見つめて、ウンとうなづいたりしてたから、私は言いたい言葉をグッと飲み込んだ

 

即身仏やテンペスタがある所は、ちょっと高台にあって周りの登っているクライマーさんを一望できるし、遠くの山まで見えて 空も近くに見える

ここのテラスが2人とも好きだf:id:tamakko66:20200524114821j:image

だけど今日は違う

涙がボロボロ出る 目なんてちゃんと開けてらんない

景色なんて見ていられないよ

私はとっとと撤収したかった

暫く2人で風が落ち着くのをうずくまって待ってはいたけど、全然状況は変わらないから

流石に今日も後1回にしようと言った

こんな日は、仕方ないよ

って告げた

長い沈黙

風は相変わらず止みそうもない

 

さてやるか

みしかが急に立ち上がった

今日のラストトライのはじまり

ロープをハーネスにつけてお互いの確認

大きく息を吐いて 上を少し見つめて

彼女が岩に手をかけた

 

下部 ここはあっという間にクリア

中間部 動きが少し止まった

どうやら煽る風に耐えているみたいだ

ドキマキする

あっ、また少し動き出した

一手掴む そしてまた一手掴んだ

よし、ここもクリア 

両眼では見れなくて視界は狭いけど、ロープが少しずつ出ているから進んでいるのははっきりわかる

そして上部に入った 問題の落ちた所だ

私はうまく開けられない両眼を、涙ボロボロ流しながら無理やり開けた

ここから時間が経つのがすごく長く感じる

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みしかは、小さい何かを掴んでボルダーみたいな動きをしていた

さっきまで流れるような登りをしていただけに酷く緊張する 

中々進まないロープに不安になる

やっと少し進んだ そして次

風おさまれ!!心の中で何回も叫びながら私は一点を見つめる

みしかの身体の動きは大きくはない

だけど少しずつロープが動いている

また一手掴んだみたい がんばれ! 

よし、また一手 掴め!

しっかり!しっかり!

そして最後

テンショーン

早く聞きたかった声がようやく聞こえた

 

少ししてみしかが風に舞いながら降りてきた

いやぁー危なかった

強い風の日はよくないねぇ

終了点の上からまた景色見ようと思ったら、みしか飛ばされそうになって焦っちゃった

ゲラゲラ笑って言う

いや、それは笑えないでしょ

と突っ込んだが、2人とも砂だらけの顔で笑ってしまった

暫くして、小さい頃から知り合いのお姉さんが下から登ってきて

おめでとう!!

と声を掛けてくれた

改めて嬉しさが込み上げてくる

f:id:tamakko66:20200524114419j:image目はちゃんと開けられないけど、一応登った後の記念の写真を1枚パチリ

 

帰り道、2人でブルーハーツの1000のバイオリンを歌いながらのんびり歩いていたら

あっ!!

突然みしかが立ち止まって、

この前落ちた核心のところ、あそこ持ち方早く気がついていたら、もっとすぐ登れたのになぁ 

悔しそうに言ってきた

 

ヒマラヤホドノ ケシゴムヒトツ

 

まだまだ冒険は続くらしい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なるべく指先に負担がかからないように、小さい粒を一発で持てるように狙いを確実にいく

次の一手を取るときに手が離れる一瞬手をグーパーして痺れを和らげる